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更新 2026/10/10AI の下書きをもとに編集

いま増えている詐欺の手口 7 選。AI で「見ればわかる」が通じなくなった時代の守り方

サイバー攻撃や詐欺のニュースを見ない日がなくなりました。警察庁の発表によると、2026 年上半期の特殊詐欺は 22,031 件、被害額は 1,816.2 億円でした。前年の同じ時期より 5 割以上増え、上半期としては過去最悪です。1 日あたりに直すと、およそ 10 億円がだまし取られている計算になります。

少し前までは「日本語がおかしいメールは詐欺」「家族の声なら本物」と言えました。生成 AI の登場で、この前提が崩れています。フィッシング対策協議会の 2026 年 8 月の報告には、AI にメールの文面を作らせたときの指示文が、そのまま本文に残っている詐欺メールが増えていると書かれています。詐欺メールの文章は、もう AI が書いているということです。

そこでこの記事では、「見た目では見分けられない」ことを前提に、いま増えている手口を 7 つ紹介します。手口 1 と 2 は主に個人、3 から 6 は個人にも会社にも、7 は会社を狙うものです。最後に、どの手口にも効く基本の立ち回りをまとめました。

手口 1: ニセ警察詐欺 ― 「あなたに逮捕状が出ています」

警察官を名乗る人物から電話がかかってきて、「あなたの口座が犯罪に使われている」「逮捕状が出ている」と告げられます。偽の逮捕状を表示するサイトや LINE に誘導され、ビデオ通話で制服姿の「警察官」が取り調べのようなやり取りを始めます。最後は「疑いを晴らすために資産を調べる」などと言って、送金や金塊の引き渡しを求めてきます。

2026 年上半期のニセ警察詐欺は 4,466 件、被害額は 507.9 億円でした。トレンドマイクロの解説によると、2026 年 6 月末ごろからは、LINE を使わずに偽サイトの上で直接ビデオ通話をする手口も出ています。

なぜ引っかかるのか: 警察という権威に加えて、顔が見えるビデオ通話が「本物らしさ」を演出します。「捜査の秘密なので誰にも話さないで」と口止めされ、周りに相談する機会を奪われます。

対策: 警察庁は、本物の警察官が次のことをしないと明言しています。

  • 電話で「捜査の対象になっている」と伝えること
  • メッセージアプリで連絡すること
  • 警察手帳や逮捕状の画像を送ること
  • 個人のスマートフォンに突然ビデオ通話をかけること

これらのどれかに当てはまったら、その場で電話を切ってください。気になる場合は、自分で調べた最寄りの警察署か、警察相談専用窓口(#9110)にかけ直します。

手口 2: SNS 型投資詐欺 ― 有名人の「おすすめ銘柄」広告

SNS や動画サイトの広告に、有名な経営者や投資家が「この銘柄は必ず上がる」と勧める動画が出てきます。生成 AI で作った偽の顔と声、いわゆるディープフェイクです。広告から LINE のグループに誘導され、「先生」や「アシスタント」とやり取りするうちに、偽の投資アプリで利益が出ているように見せられます。いざ出金しようとすると、手数料や税金の名目でさらにお金を求められます。

被害額は今回の 7 つの中で最も大きく、2026 年上半期だけで 5,893 件、797.9 億円にのぼります。前年の同じ時期の 2 倍以上です。8 月には警察庁など 7 府省庁が、Google、LINE ヤフー、Meta、TikTok、X に対して、広告主の本人確認の徹底などを要請しました。

なぜ引っかかるのか: 見慣れた本人の顔と声に加えて、グループの中では「サクラ」が次々に成功を報告します。最初の少額は実際に出金できることもあり、信じ込みやすくなります。

対策: 有名人が SNS 広告や LINE で個人に投資を勧めることはまずない、と決めておくのが一番です。投資の勧誘を受けたら、相手が金融庁の登録業者かどうかを確かめます。「元本保証」「必ず儲かる」は違法な勧誘のサインです。出金に手数料を求められた時点で詐欺だと判断し、それ以上は払わないでください。

手口 3: AI が書くフィッシング ― 日本語はもう自然です

Amazon や Apple、航空会社、カード会社などを名乗るメールや SMS が届き、「アカウントを停止しました」「24 時間以内に確認してください」と偽のログイン画面へ誘導します。入力した ID とパスワード、カード番号はそのまま盗まれます。

フィッシング対策協議会への報告は、2026 年 8 月だけで 82,338 件。前月より約 24.5% 増えました。名乗られたブランドは Amazon(約 26.1%)、Apple(約 16.1%)、ANA(約 12.5%)の順です。冒頭で触れた AI の指示文が残ったメールのほか、目に見えない文字を単語の間に埋め込んで、迷惑メールのフィルターをすり抜けようとするメールも確認されています。

なぜ引っかかるのか: 日本語が自然で、ロゴや画面も本物そっくりです。「停止」「期限」で焦らされると、リンクを押してしまいます。

対策: 「日本語が自然かどうか」で判断するのをやめましょう。そのうえで、メールや SMS のリンクからはログインしないと決めます。ログインするときは、ブックマークや公式アプリから開くようにします。あわせて、各サービスで二段階認証やパスキーを設定しておきます。パスキーは偽のサイトでは使えないため、うっかり偽の画面を開いても被害を防ぎやすくなります。

手口 4: サポート詐欺 ― 突然「ウイルスに感染しました」

ネットを見ている最中に、警告音とともに画面いっぱいの警告が表示されます。「ウイルスに感染しました。サポートセンターに電話してください」という内容で、電話をかけると遠隔操作のソフトを入れさせられ、サポート代を電子マネーやネットバンキングで払わされます。

IPA(情報処理推進機構)の相談窓口には、2026 年 4〜6 月に 3,832 件の相談が寄せられ、そのうちこの「偽の警告」が 1,428 件で最多でした。前の 3 か月より約 23.7% 増えています(IPA)。

なぜ引っかかるのか: 大きな音と全画面の警告で冷静さを失わせます。閉じるボタンが効かないように見せて、「電話するしかない」と思わせます。

対策: 表示された番号には電話せず、遠隔操作のソフトも入れないでください。警告はブラウザに表示されたただのウェブページなので、ブラウザを閉じれば消えます。閉じられないときは、Windows ならタスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)からブラウザを終了するか、パソコンを再起動します。電話をかけてしまった、ソフトを入れてしまった場合は、IPA の情報セキュリティ安心相談窓口に相談してください。

手口 5: 偽の「私はロボットではありません」 ― 自分でウイルスを入れさせられる

「ClickFix(クリックフィックス)」と呼ばれる手口です。怪しいメールや広告のリンク先で、よく見る「ロボットではないことを確認してください」という画面が出ます。そこで「Windows キー+R を押す」「Ctrl+V を押して Enter」と指示されます。その通りにすると、裏でコピーされていた悪意のある命令が実行され、パソコンがウイルスに感染します。

感染するのは、ブラウザに保存したパスワードやログイン状態を盗むタイプのウイルスが中心です。私用のパソコンで感染しても、仕事のクラウドサービスのアカウントまで乗っ取られるおそれがあります。国内では、セキュリティ企業のラックが 2025 年 5 月に複数の企業での被害を確認し、警視庁も 2025 年 9 月に注意を呼びかけています。

なぜ引っかかるのか: 確認画面は毎日のように目にするので、疑う人はほとんどいません。指示もキー操作 3 つだけと簡単です。

対策: 本物の確認画面の多くは、チェックを入れるか簡単なパズルを解かせるものです。Windows キー+R などのキー操作や、何かを貼り付けて実行することを求めてきたら、その時点で偽物です。そのまま画面を閉じてください。

手口 6: AI の声と顔で、家族や上司になりすます

本人そっくりの声で「事故を起こした」「今すぐお金が必要」と電話がかかってくる。いまの AI は、数秒の音声があれば、専門知識がなくても本人の声を再現できます(PwC)。

会社でも起きています。2024 年には香港で、ビデオ会議に現れた CFO(最高財務責任者)や他の幹部がディープフェイクで、社員が合計約 2 億香港ドル(当時のレートで約 38 億円)を送金させられた事件がありました(PHILE WEB)。国内ではまだ報告が多くない手口ですが、使われている技術は誰でも手に入ります。

なぜ引っかかるのか: 「声を聞けば本人とわかる」「顔が見えるから本物だ」という前提が、もう成り立たないからです。

対策: お金の話が出たら、一度電話を切って、登録してある番号にこちらからかけ直してください。家族の間では、本人しか知らない合言葉を決めておくと確実です。会社では、「電話やビデオ会議だけの指示では送金しない」というルールにしておきます。

手口 7: ニセ社長詐欺 ― 社長の名前で「LINE グループを作って」

社長や会長の名前で、経理の担当者にメールが届きます。「新しい取引先の件で」「プロジェクト対応のため」と言って、LINE などのチャットのグループを作るよう求めてきます。グループに入ると、社長役や取引先役が現れ、至急の送金を何度も指示します。

時事通信によると、警察庁が把握したものだけで、2025 年 12 月中旬から 2026 年 1 月 15 日までの約 1 か月に相談が 39 件、実際の被害が 16 件、被害額は約 5 億 4,000 万円にのぼりました。関東の資材業者が約 3,000 万円を送金し、そのあとで社長に確認して初めて被害に気づいた例もあります。トレンドマイクロは、少なくとも 6,000 の法人が狙われたと分析しています。

なぜ引っかかるのか: 社長の指示は断りにくく、「機密の案件なので他言無用」と言われると確認もしづらくなります。メールの表示名は社長の名前になっていて、送信元のアドレスまで見る人は多くありません。

対策: 次の 3 つを社内で決めて、全員に伝えておきます。

  • 業務の指示は、LINE など会社が認めていないチャットでは出さない
  • 送金は必ず 2 人で確認する
  • 新しい振込先や振込先の変更は、登録済みの電話番号で本人に確認する

社長自身が「私が LINE で送金を指示することはない」と社員に宣言しておくのも効果的です。そうしておけば、それらしい指示が届いても、社員は迷わず疑えます。

どの手口にも効く、基本の立ち回り 5 つ

ここまでの 7 つは見た目こそ違いますが、だまし方の骨組みは同じです。次の 5 つを覚えておけば、新しい手口が出てきても大半は防げます。

  1. 「急いで」「内緒で」と言われたら、いったん止まる。 逮捕状、アカウント停止、ウイルス感染、至急の送金。どの手口も、考える時間と相談する相手を奪いにきます。本物の用件なら、5 分かけて確認しても困ることはありません。
  2. 届いた連絡の中にあるものは使わない。 メールのリンク、SMS の電話番号、送られてきた QR コードやアプリは使わず、自分で調べた公式の窓口、ブックマーク、登録済みの電話番号から確かめます。
  3. 「お金」「パスワードや認証コード」「コマンドの入力やソフトのインストール」を求められたら、別の経路で確認するまで応じない。 この 3 つは、だます側が最後に必ず求めてくるものです。
  4. 決めごとは先に作っておく。 家族なら合言葉、会社なら送金の 2 人確認と振込先変更の電話確認です。いざというときに、その場で考えずに済みます。
  5. おかしいと気づいたら、すぐに相談する。 振り込んでしまったら、すぐに振込先と自分の銀行に連絡してください。口座が凍結され、残っているお金が戻る場合があります。カード番号を入れてしまったらカード会社へ。パスワードを入れてしまったら、すぐに変更してください。同じパスワードを使い回しているサービスがあれば、そちらも変えます。

相談先は次の通りです。

  • 警察相談専用窓口: #9110
  • 消費者ホットライン: 188
  • IPA 情報セキュリティ安心相談窓口(パソコンやスマートフォンの技術的な相談): 03-5978-7509(平日 10 時〜17 時)

この記事は、2026 年 10 月 7 日時点で公表されている資料をもとにしています。手口は数日単位で変わっていくので、最新の注意喚起は警察庁の SOS47 や、フィッシング対策協議会のサイトもあわせて確認してください。

ここまでの内容を、20 問の検定で確かめてみてください。

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